付き合うと苦労する、付き合っちゃいけない男3Bってご存じですか? バーテンダー、美容師、バンドマンです。数々のダメンズと付き合った私は、もちろん3Bに引っかかったこともあります。
今回ご紹介するダメンズは、売れない夢追い作曲家のKさんです。
付き合い始めた当時は3Bなんて職業があることは全く知りませんでしたが、その後色々な恋愛を経験し、友人たちの話を聞いて、改めて3Bにはあまり良い男はいないなぁと実感しております。
このtwitterメッチャわかります!
腐れバンドマンへ pic.twitter.com/Np9QEj3r4L
— くま (@kuma719official) May 11, 2019
・音楽プロデューサー!?
Kさんとの出会いは、ちょっと変わった場所でした。私は小さい頃から歌を歌うのが好きで、将来はアーティストになりたいなんて思っていた時期もありました。高校生の頃からヴォイストレーニングの教室に通い始め、大学に入ってからも続けていました。
大学生2年生になってからは、前回紹介したダメンズSさんとの関係が始まったのですが、そのSさんが勤めていた会社が歌を歌える人を探していたことがあったのです。
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正直ギャラはほとんど出せないから、アマチュアでもとりあえず歌える人はいないかということで、Sさんが私を推薦してくれました。
Sさんから話を聞いて、またとないチャンスだったので、もちろん二つ返事でOKをしました。
その曲のレコーディングが行われたのが、ある平日の夜。レコーディングスタジオに現れたのがKさんだったのです。
Kさんは、何を隠そう私が歌う歌を作曲した方でした。カッコいい言い方をすれば、音楽プロデューサーです。まだまだ人生経験が浅い私がときめいても仕方ない肩書ですよね!(笑)
そして正直、一目見たときから顔がタイプでした。イケメンっていうわけじゃないんですけど、優しそうでちょっとチャラくて(苦笑)。
それにこのツイートにもあるように、10歳以上年上なのに、すごく若々しく見えたんです。
30過ぎたバンドマンは、年齢より見た目が若かったり、貫禄が凄かったりで実年齢が分かりにくい。#ヴォーカル編 pic.twitter.com/NUL1pjQKcd
— 餓鬼Иちょ (@pazu_official) October 17, 2016
Kさんも、初めて会ったときから私のことを意識してくれていたようで、付き合うまでにそんなに時間がかかりませんでした。
ちなみに、ちょっと混乱しそうなので補足しておきますが、Sさんとの関係とKさんとの関係は完全にかぶっています。ただ、私の中では二股という感覚は全くありませんでした。もちろんSさんにも。
だって、前回もお話ししたように、Sさんと私は主従関係であり、恋人関係ではないのです。しかもSさんには奥さんがいる状態でした。
Kさんとは純粋な恋愛関係です。
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レコーディングもなんとか終了し、軽く打ち上げということでご飯を食べてその日は解散。連絡先交換をしていたので、私はその日の夜に早速Kさんとメールを開始しました。
まずは、Kさんのことを根ほり葉ほり聞く私。住んでいる場所とか、どこで生まれ育ったのかとか、今までの経歴とか。話せば話すほど、私のあまり知らない世界をたくさん知っていて、私は楽しくて仕方がありませんでした。
思い返せば、最初に付き合った男性からSMやら主従やら言われ続けいていた私にとって、初めて普通っぽい人だったのかもしれません。
そんなこんなでメールのやり取りを続けること2週間ほど。Kさんからついに告白される日が来ます。
生まれて19年ちょっと、やっと普通の恋愛ができるのかもしれないと夢見て、脳内がお花畑になっていた私なのでした。
・デートはファミレスか公園
こうして始まったKさんとのお付き合い。最初は2人でカフェに行ったり、楽器屋さん巡りをしたり、服を買いに行ったりと本当に幸せなデートが続きました。
ただ、何度かデートしたのですが、言葉の端々から、どうやらお金をあまり持っていないようだと気づくようになってきます。
最初こそ普通のお店でご飯を奢ってくれたりしていましたが、3回目のデートは公園からのファミレス、4回目のデートはKさんの友達の家にご飯を食べに行く……。さらにKさんはファミレスではドリンクバーしかいつも頼まないので、私も同じようにしていました。
「作曲家ってお金持っているんじゃないの?」と勝手に想像していた私も悪いのですが、やはりフリーランスで仕事をしている以上、お金を稼げる人も稼げない人もいます。Kさんは後者のタイプだったのです。その上、Kさんはプライドが高い部分があり、私にお金がないとは言えなかったようなのです。
でもそんな隠し事が長く続くはずもありません。Kさんから3回目の公園デートに誘われた時、思い切ってお金のことを聞いてみました。
こんな感じではぐらかそうとしますが、私は心配になってしまい追及を止めませんでした。
そして私はKさんを無理矢理引っ張ってファミレスに連れていき、好きなものを注文してくれるように頼みました。Kさんは遠慮していましたが、私の剣幕がすごかったのかしぶしぶハンバーグ定食を注文していました。
このときは、Kさんの体のことが本当に心配で、どうにかしてあげないととばかり考えていました。でも今思うと、ここから貢ぎ生活が始まってしまうのです。
私の中では貢いでいるという感覚は全くありませんでした。だってKさんは、仕事をしていないわけでもないですし、私にはいつも優しくしてくれます。愛してくれていることも十分に伝わってきていました。
だから、愛している人が困っているのを助けるのは当然と考えていたのです。
結局私は、Kさんが食事を終えてからすぐにATMに行き、バイトで貯めていた貯金3万円をとりあえず渡しました。
Kさんは最初頑として受け取ろうとしませんでしたが、私が「Kさんが倒れちゃったら、私はどうしたら良いの?」って涙ながらに訴えた結果、しぶしぶ受け取ってくれました。
もちろんお金が入ってきたらすぐに返すという約束つきで。
・九州男児だから
最初にお金を渡した日から、Kさんの態度は一転するかと思いきや、特に変化のない日々が続きました。Kさんとのデートは相変わらずお金をかけないものに限られるため、自然とお家デートも増えてきます。
Kさんは私の家には入り浸ることもあるのに、なかなか自分に家には招待してくれません。その理由を聞くと「散らかっているから」だそう。
男の一人暮らしの家が散らかっているのなんて当たり前だと思っていた私は、Kさんの静止を振り切って、強引にお家に行くことにしました。
Kさんが住んでいたのは都内の住宅街のマンションの一室。玄関を開けてくれたKさんでしたが、その時点で私は絶句しました。
足の踏み場がないほどの部屋はそれまでに何度も見てきましたが、Kさんの部屋はそれまでに見たどの部屋よりも散らかっており、本当に人が住んでいるとは思えないような状態だったのです。
Kさんは仕事柄、家にキーボードやパソコンやその他なんだかわからない機材が山ほど必要なようでした。でも問題はそこではありません。
Kさんの部屋には服や書類やコンビニ袋などなど、あらゆるものが山積みになっており、私が唯一いられる場所はベッドの上だけです。
とはいえ、無理矢理押しかけたのは私ですから、とりあえず片づけをしてみることに…。
でもKさんってとにかく私に色々見せたくないとか、カッコつけたいって気持ちが強いんです。彼女にお金を借りて、煙草を買ってもらい、朝起きれないから起こして欲しいと言っておいて今更!? という感じもするのですが、Kさん曰く九州男児だから仕方がないそうです。
そう、Kさんは何かと言えば九州男児なことを言い訳に使っていました。
お金がなくても夢を追いかけていることや、部屋を片付けないことまで。随分と都合の良いキーワードだと思いませんか?
そして付き合い始めて半年くらいが経ったある時、Kさんはいきなり私の親に会いに行くと言い始めます。まだ大学生だった私は驚きつつも、ちょっと感動してしまいました。
Kさんと私はその年の大晦日に車を飛ばして、900km近くある私の実家まで挨拶をしに帰りました。両親は驚きつつも、にこやかにKさんを迎えてくれました。
(心の広い私の両親には感謝しかありません)
・別れは突然に
このまま幸せな日々が続き、ハッピーエンドになるかと思っていたある日、私はKさんと小さな喧嘩をしてしまいます。Kさんとのお付き合いの方法とか、連絡頻度とか些細なことが原因です。
苛立ちを隠せなかった私はKさんに長文でメッセージを送りました。そして今のままのルーズな生活を続けていくなら、別れも考えなければならないと伝えたのです。
するとKさんから・・・
と返信が!
メッセージを読んだ瞬間、思考がフリーズした私。
私はそんなに簡単に切れてしまう縁だなんて思っていなかったからこそ、本音を正直にぶつけたのです。ですが、Kさんにはそれが伝わらなかったようで、結局このメッセージを最後に、二度とKさんと話をすることもメールをすることもありませんでした。
あまりにも突然な別れで私はしばらく食事も喉を通らない状態が続きます。
Kさんの友人などを介して、Kさんと最後に話がしたいとお願いをしてみますが、頑固なKさんはまたも九州男児の意地を見せて合意しません。
これが私がそれまでの人生で初めて普通の人との別れを経験した瞬間でした。
・その後・・・国際結婚!?
Kさんに関しては、今までのダメンズと比べるとかなり普通の恋愛ができたと思っています。ただお金がなくてヒモ状態だっただけですからね。
ちなみに、その後いろいろな繋がりから聞いた話によると、私と別れた後Kさんは海外の音楽をプロデュースしたのがキッカケで、どこかアジアの女性と国際結婚をし、今は奥さんの国で楽しく暮らしているそうです。
これを聞いちゃうと、私はサゲマンだったのかなとか、寂しい気持ちも湧いてきますが、とりあえず過去に愛した人が幸せなのは嬉しいですよね。
そんなわけで、ちょっと普通な恋愛に戻っていくかと思いきや、次に出会ったのは真面目そうに見えて複数同時交際が当たり前というまたまたダメンズ!
そのダメンズのお話も楽しみに待っていてくださいね。